深い紺色の背景に、緑の葉がついた小さな野生ブルーベリーの房。

青い色の、その先を知る。

野生ブルーベリーには、アントシアニンをはじめとする天然の植物成分が含まれ、科学者の継続的な関心を集めています。

ブルーベリーの食品や飲料と、記憶・血管機能・代謝との関係。食べたあとに起こる成分の変化。研究者はどんな問いを立て、どう調べ、何を見いだしたのでしょうか。その歩みを紹介します。

暗い撮影背景に散らばる青紫の小さな野生ブルーベリー。なめらかな果粉、異なる向き、繊細ながくが見えます。

ブルーベリーは、なぜ青いのでしょう。

アントシアニンは、植物成分であるフラボノイドの一群です。野生ブルーベリーを含む多くの果実の赤、紫、青に関わっています。

色は目で確かめられますが、体内での変化はそう簡単には見えません。消化によって成分が変わるため、研究では元の色素だけでなく、そこから生まれる代謝物も調べます。

そのため、抗酸化の数値だけでは全体像はわかりません。食べ物やその成分が体とどう関わるのか。それが研究の大きな問いです。

難しそうな名前も、身近な食べ物の中に。

一杯のお茶にも、ひと握りのブルーベリーにも、植物由来のさまざまな成分が含まれています。ポリフェノールはその大きな分類で、フラボノイドはその一部。アントシアニンは、さらにフラボノイドの中に位置づけられます。

紺色の背景に、陶器のカップの琥珀色のお茶と茶葉。

ポリフェノール

たとえば、いつものお茶に。

お茶、ベリー、カカオなどに含まれる天然植物成分の大きな一群。植物の色や風味に関わっています。

なぜ注目されるのでしょう?

科学者は、細胞や腸内微生物との相互作用と、それが長期的な健康に何を意味するかを研究しています。

ポリフェノールと腸の研究
紺色の背景に、赤いリンゴと切りたてのひと切れ。

フラボノイド

たとえば、歯ざわりのよいリンゴに。

ポリフェノールの一群。リンゴ、お茶、ベリーに含まれており、毎日口にしているかもしれません。

なぜ注目されるのでしょう?

心臓の健康との関わりや、血管が緩んで血液を運ぶ働きへの役割が研究されています。

フラボノイドと血管の研究
深い紺色の背景に、緑の葉がついた小さな野生ブルーベリーの房。

アントシアニン

たとえば、ブルーベリーのあの青に。

色彩豊かなフラボノイドの一群。ブルーベリーや紫キャベツなどに、赤、紫、青をもたらす天然色素です。

なぜ注目されるのでしょう?

ブルーベリー研究では記憶と血管機能が調べられています。色は目に見えますが、健康との関わりは今も研究の途上です。

青の物語を知る

科学者は、何を調べているのでしょう。

脳と認知——さまざまな年齢で、ブルーベリー食品は記憶、注意、実行機能の特定の指標とどう関わるのでしょう?

心臓と循環——介入によって血管の反応や血圧の測定値は変わるのでしょう?

代謝の健康——ブルーベリー食品とその成分は、血糖調節やほかの代謝過程とどう関わるのでしょう?

腸と代謝物——腸内微生物はベリーの成分をどう変換し、その変化は体のほかの部分の反応とどう関わるのでしょう?

記憶

野生ブルーベリージュースと記憶:初期のヒト研究。

Krikorian et al. · 2010

参加者
初期の記憶変化がある成人9人
研究で用いた形態
野生ブルーベリージュース
期間
12週間

2010年、Robert Krikorian、Wilhelmina Kalt らは、初期の記憶変化がある高齢者9人の予備研究を報告しました。参加者は野生ブルーベリージュースを毎日、12週間飲みました。

対連合学習と単語リストの再生は開始時より改善しました。関連試験の小規模なプラセボ群との比較では対連合学習の結果が支持されましたが、単語リストの群間比較に統計的有意差はありませんでした。

この研究は、より大きな集団と対照を置いた設計で検討を進めるきっかけとなりました。

記憶と注意

子どもの記憶と注意には、どんな関わりがあるのでしょう。

Whyte et al. · 2016

参加者
7~10歳の子ども21人
研究で用いた形態
粉末を使った飲料
期間
6時間にわたる検査

Whyte らは、7~10歳の子ども21人を対象に、凍結乾燥野生ブルーベリー粉末15 gまたは30 gを含む飲料とプラセボを用いた二重盲検クロスオーバー試験を行いました。

2016年発表のこの研究では、その後6時間の一部の記憶課題と負荷の高い注意課題で有利な結果が報告されました。結果は研究条件下で行われた特定の検査に関するものです。

血管機能

血管の働きを、時間をかけて確かめる。

Wood et al. · 2023

参加者
健康な65~80歳の成人61人
研究で用いた形態
凍結乾燥粉末を1日26 g
期間
12週間

2023年、Eleanor Wood らの試験に健康な65~80歳の成人61人が参加しました。参加者は凍結乾燥野生ブルーベリー粉末26 gまたは対応するプラセボを、毎日12週間摂取しました。

野生ブルーベリー群では、プラセボ群と比べて血管反応の指標である血流依存性血管拡張反応が改善し、24時間の収縮期血圧が低下しました。測定された脳血流量と腸内細菌叢の構成には変化が認められませんでした。

血管の反応

参加する人が違えば、結果も変わります。

Rendine et al. · 2026

参加者
健康な若年成人20人
研究で用いた形態
野生ブルーベリー飲料300 mL
期間
短期間のクロスオーバー試験

2026年のクロスオーバー試験で、Rendine らは健康な若年成人20人を対象に、野生ブルーベリー飲料300 mLとプラセボを比較しました。

この試験では、測定した血管機能と血中の接着関連マーカーに、全体として統計的に有意な介入効果は見られませんでした。高齢者を対象とする長期研究とは異なる結果です。誰を対象に、いつ、何を測るか。その条件を踏まえて読むことが大切だとわかります。

ブルーベリーの研究は、今も続いています。

北米野生ブルーベリー協会は、数十年にわたり研究と科学交流を支援してきました。バーハーバーの研究会には、神経科学、加齢、心血管など幅広い分野の科学者が集いました。

WBANA の研究ライブラリーは、個々の論文や大きなテーマへの入り口です。関心のある問いから、何が検証され、どんな結果が得られたのかを読んでみてください。